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『ピアニスト』
(La Pianiste)2001年 仏=オーストリア・ヘラルド 2時間12分
【監督】ミヒャエル・ハネケ
【出演】イザベル・ユペール,ブノア・マジメル,アニー・ジラルド
<ストーリー>
物語はウィーン。エリカは幼い頃からピアニストに成るために母に厳しく教育を受け、恋人を作ることも許されなかった。
しかし母の夢だったコンサート・ピアニストには成れずウィーン国立音楽院のピアノ教授になった今でも、母に干渉されながら2人で暮らしていた。
そんな彼女の前に才能あるハンサムな生徒ワルターが現れ彼女に恋をする。若いワルターは強引に彼女に愛をもとめいつしか彼女もワルターの姿を追っていた。そして誰にも語ったことがない秘密を打ち明ける...
2001年カンヌ国際映画祭で、グランプリ、主演女優賞、主演男優賞を獲得し各国でセンセーショナルを起こしたドイツの監督、ミヒャエル・ハネケの作品です。
ミヒャエル・ハネケの作品は初めてなんですけど「私の映画は気晴らしも娯楽も与えません」と言い切っているらしくまたとんでもない映画を観てしまったと言う感じ。
この監督の持ち味なのか独特のリアリズムに徹して愛しても愛しきれない2人のもどかしさは観る者にせつなさを与える。お互いがお互いの欲望を相手にぶつけ受け入れようとしながらそれが出来ず、傷つけあう姿は愛情よりも悲しみを感じてしまいます。
田口ランディの小説にも感じるんだけど性的欲望はアブノーマルなほど人間の心の奥を突いてるのかと思う。でもノーマルな人から見ればそれは共感も同情も出来ずただ戸惑うだけなんだろうけど...
ここではとても書けない描写でこの映画で感じるのはリアルで痛い現実だけ、私達はただそれを見入るしかないのかも知れない。
それにしてもクラシック音楽(ここではピアノのレッスン)というのは趣味のレヴェルを越えると普通を逸脱した環境で人を変えてしまうのでしょうか?優秀なんだけど天才ではない...コンサート・ピアニストに成れないエリカが背負うトラウマはしょせん天才でも優秀でもない私には理解できないですね。
ラストも各人の解釈によるという終わり方なんですが突然入るエンドロールが無音、これはちょっと余韻が残って効果を上げてました。
ピアノ曲はショパン、バッハ、ブラームス、シェーンベルクなんですが「冬の旅」の伴奏シーン。ピアノ三重奏曲の練習シーンとシューベルトがキーワードに成っています。
イザベル・ユペールには毅然として知的な役に存在感があり圧倒されました。それだけでも評価を星3.5にします。
この映画は私は好きか嫌いかと聞かれると嫌いです。でも記憶に残っちゃうんだろうな〜!
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